腰椎椎間板ヘルニアの対処法

腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板が変性してとび出した結果、腰椎の中を通っている神経を圧迫してしびれや痛みを生じる疾患です。圧迫する神経の場所や圧迫具合によっては歩行困難や排泄障害を引き起こす可能性もあります。

しかし腰椎椎間板ヘルニアの多くは安静にすることで、炎症に伴ってヘルニア塊周囲に浸潤したマクロファージやT細胞の貪食作用により、自然縮小・消失していきます。急性期で疼痛の強い時期は安静が必要ですが、疼痛の改善に合わせてむしろ少しずつ動いた方が良いとされています。

原因

加齢に伴う椎間板の変性が主な原因で、事故などの強い衝撃によって突発的に引き起こされる場合もあります。股関節周囲の可動域低下は腰椎に対して負担をかけるため、この椎間板の変性を進行させる危険があります。

症状の分類

腰椎椎間板ヘルニアには大きく分けて4つのタイプがあります。

①膨隆型

椎間板の中心部である髄核の突出が、椎間板の外側にあたる線維輪内にとどまっている状態。

②脱出型

髄核が線維輪を突き破って、後方にある後縦靭帯を圧迫している状態。

③穿破脱出型

髄核が線維輪と後縦靭帯を突き破って外に飛び出している状態。

④遊離脱出型

髄核が線維輪と後縦靭帯を突き破り、さらに髄核の一部が切り離されている状態。

治療

腰椎椎間板ヘルニアの治療としては保存治療が基本であり安静が必要ですが、必要以上の安静は腰椎を支えるべき体幹部や下肢の筋力低下を招き、日常生活の質が下がってしまう恐れがあります。

運動療法として大切なことは腰椎への負担を減らすこと。joint by joint theoryという関節の可動性、安定性についての理論に基づくと腰椎に必要な機能は安定性。腰椎の上にある胸椎、下にある股関節はともに可動性が必要な関節と定義されています。

これを踏まえるとまず取り組むべきは股関節と肩周りの柔軟性改善です。伸ばしたい部位としては特にお尻の大殿筋と太もも裏のハムストリングス、胸部の大胸筋です。正常な腰椎であれば前方に弧を描くようにカーブしていますが、これらの筋肉が硬くなるとこのカーブがなくなってしまい、腰椎にかかる負担が増える原因となります。

ストレッチによって可動性が確保できたら次は安定性です。普段無意識に口呼吸になっていたり、呼吸が浅くなっていたりすると体幹部の安定性は低下してしまいます。正しい呼吸を習得することで腰部の安定性は飛躍的に向上し、腰椎への負担を軽減することができます。

まとめ

今回は腰椎椎間板ヘルニアの対処法についてご紹介しました。腰椎椎間板ヘルニアは小中学生でもなりうる疾患ですが、股関節周囲の可動性低下は所見として多く見られます。長時間座っているときは合間に軽くストレッチをするなど普段からのちょっとしたことで改善できる疾患でもあるので、意識を少しだけ変えてみてはいかがでしょうか。

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