朝起きた直後、関節が動かしづらいと感じることはありませんか?
もしかしたらそれは関節リウマチの初期症状かもしれません。
概要
関節リウマチとは、関節内にある滑液包に炎症が起きる自己免疫疾患のことです。30代~50代の年代に多く見られ、男性よりも女性の方が発症しやすい傾向にあります。炎症が長期間続くと周辺の組織が障害されて関節破壊が起こり、関節が曲がったまま伸びないなど変形する場合もあります。
原因
原因ははっきりとわかっていませんが、遺伝的要因と環境的要因が組み合わさることで発症すると考えられています。
遺伝的要因としては、関節リウマチになりやすい遺伝子が100種類程度あると考えられています。
環境的要因としては、喫煙や歯周病、出産や腸内細菌の乱れが関与している可能性が示唆されています。
症状
主な症状としては、関節の腫れや痛み・朝のこわばりなどが現れます。朝のこわばりは1時間ほど持続するため、起床後関節が動かしづらくなるという特徴があります。手の指や手首に現れることが多いですが、基本的に複数の関節に症状が現れることが多い疾患です。関節の炎症が長期化すると関節の変形や、関節が強くこわばる強直、曲げ伸ばしなどの動作がしづらくなる拘縮などが起き、日常生活にも支障をきたすことがあります。
運動療法
関節リウマチに対する運動療法は、間違ったやり方で行うとかえって症状を悪化させてしまう場合があるので注意が必要です。
基本的には拘縮を緩和するために関節を動かします。手に症状が出ている場合はグーとパーを繰り返す動作、股関節に症状が出ている場合は椅子に座った状態で片足を上げる動作などです。
ただしこれらの運動は痛みがある中無理に行うとかえって症状を悪化させてしまう恐れがあるので注意が必要です。回数などはあえて設定せず、無理のない範囲で継続的に行うようにしましょう。
最後に
関節リウマチは日本では約1%がかかるといわれていて比較的罹患率の高い自己免疫疾患です。関節リウマチで日常生活動作に支障が出るのは怖いことですが、それ以上に関節が動かしづらくなることで運動を避けるようになってしまうことが最も恐ろしいことではないかと私は思います。運動は身体だけでなく心にも影響します。心身ともに健康であり続けるためにも、楽しく元気に体を動かす習慣を作りましょう。