貧血と低血圧の違い

学生時代、長時間立っていると意識がもうろうとし、突然倒れたという経験はありますか?この症状は起立性低血圧と言いますが、貧血だというようにもよく聞きます。どちらが正しいのでしょうか。

貧血

一般的に貧血というのは鉄欠乏性貧血のことを指します。これは鉄分の不足によって生じる貧血のことです。鉄分が不足することでヘモグロビンの量が減少し、脳への酸素供給が少なくなると立ち眩みやめまいと言った症状が現れることがあります。

低血圧

心臓から送り出される血液の量、つまり心拍出量が低下している状態を低血圧と言います。貧血と違い、ヘモグロビンの濃度は問題ないのですが、送り出される血液が少ないために脳への酸素・栄養の供給量が減少し、立ち眩みやめまいを引き起こすことがあります。代表的な例として、先述した起立性低血圧があります。

貧血と低血圧の違い

どちらも引き起こされる症状は似ていますが、原因が異なります。貧血は鉄分やビタミンなどの栄養素が不足しているのに対して、低血圧は主に寝不足や運動不足などの生活習慣が関係しています。治療をするためにはそれぞれの原因に対してのアプローチが必要となるため、貧血と低血圧は別物として考えた方が良いでしょう。

貧血の場合はまず食生活の改善が必要となります。レバーや海藻類など鉄分をしっかりと摂ることを意識しましょう。鉄分の吸収を促進するビタミンCやビタミンB群の摂取も大切です。

低血圧の場合はホルモンの働きを正常化する必要があるため、体内時計が乱れないような生活を心がけましょう。十分な睡眠をとる、日光を浴びるなどの習慣をつけることでホルモンの働きが正常化し、血圧の調節がうまくできるようになります。血液の循環を促すために、適度な運動を行うことも大切です。

まとめ

貧血も低血圧も改善するためには長い期間が必要になります。日々の習慣を改善することで根気強く治療に取り組んでいきましょう。

関連記事

  1. 1日○○歩で生涯現役

  2. 認知症の予防

  3. 痛みはなぜ治らないのか

  4. 関連痛とは

  5. 固有感覚とは

  6. コーヒーと糖尿病

閉じる